こんにちは。
広州・深圳を中心に、中国語・日本語の通訳、展示会同行、工場視察、仕入れ先探しなどの現地サポートを行っている李です。
今回は、日本から広州へ来られた起業家のお客様と一緒に、広州交易会を回ったときの同行通訳レポートを書いてみたいと思います。
もともとは「広州交易会に行きたい」というご依頼ではなく、少し違うところから始まった案件でした。
最初のご相談:広州で中国の新しい企業や面白いものを見たい
お客様から最初にご連絡をいただいたときのご希望は、
「5月のゴールデンウィーク期間中に広州へ旅行に行くので、そのタイミングで中国の新興テック企業や、何か前沿的で面白いものを見られないか」
というものでした。
中国の新しいサービス、面白い商品、今後ビジネスにつながりそうなものを見てみたい、というご相談です。
私も最初はいくつか候補を考えました。
ただ、日程が5月1日から5月5日前後で、中国ではちょうど労働節の大型連休にあたります。この時期は多くの企業が休みに入ります。
また、以前から取引関係がある企業であれば別ですが、初めての外国人のお客様を急に企業内へ案内してもらうのは、現実的にはなかなか難しい部分があります。
そこで私は、無理に企業訪問を組むよりも、広州交易会を見に行くほうが今回の目的に合っているのではないかと提案しました。
広州交易会には、さまざまな業界の中国メーカーが集まります。
単に商品を探すだけではなく、中国メーカーの新しい商品開発、海外向けの対応力、今の中国市場の雰囲気を一度に見ることができます。
結果的に、この提案はかなり良かったと思います。
当日の目的:プロテイン・サプリ・機能性食品を中心に見る
当日お会いしてから、まずお客様が興味を持っている商品の方向性を確認しました。
今回特に見たかったのは、プロテイン、プロテインパウダー、クレアチン、サプリメント、機能性食品のような商品です。
広州交易会は会場が非常に広く、何も考えずに歩くとすぐに時間がなくなってしまいます。
そこで、まず広州交易会の公式アプリを使って、関連するキーワードで出展企業を検索しました。
そのうえで、該当しそうなブースの位置を確認し、効率よく回れるようにルートを考えながら移動しました。
実際に探してみると、関連するメーカーはいくつか見つかりました。
プロテインやサプリ関連の商品だけでなく、電解質タブレット、クレアチン入りグミ、機能性キャンディのような商品もあり、お客様もかなり興味を持たれていました。
面白かった商品:補助食品の「食べやすさ」を工夫した商品
今回特に印象に残ったのは、補助食品をより手軽に摂取できる形にした商品です。

たとえば、プロテインやクレアチンのようなものは、一般的には粉末を水に溶かして飲むイメージがあります。
ただ、実際には「毎回作るのが面倒」「味が苦手」「外出先で飲みにくい」と感じる人も多いと思います。
今回見た商品の中には、そうした成分をグミやキャンディ、タブレットのような形にしたものがありました。
これは単に見た目を変えただけではなく、最終ユーザーの不便さをよく考えた商品だと感じました。
「毎日続けやすい」
「持ち運びしやすい」
「お菓子感覚で摂取できる」
こういった点は、今後日本市場でも可能性があるかもしれません。
お客様とも、その場でかなり盛り上がったポイントでした。
同じ商品ジャンルでも、メーカーの対応力には大きな差がある
今回の同行で、私が特に強く感じたのは、メーカーによって海外バイヤーへの対応力にかなり差があるということです。
あるブースでは、商品の価格について質問しました。すると担当者はすぐに価格を教えてくれたのですが、その価格がかなり高く感じられました。
そこで私が、
「なぜこの価格になるのですか?」
と確認したところ、最初ははっきりした説明がありませんでした。
その後、何度か確認していくと、展示している商品は実は中国国内で生産しているものではなく、ドイツから輸入している商品だということが分かりました。
もちろん、輸入品を展示すること自体が悪いわけではありません。
ただ、広州交易会は基本的に海外バイヤーに向けて自社の製品や生産能力をアピールする場所です。
その場で見せている商品が自社生産品なのか、輸入品なのか。
なぜその価格なのか。
日本向けに出荷した実績はあるのか。
どのような認証を取得しているのか。
MOQや納期はどのくらいなのか。
こういった基本的な質問に対して、すぐに答えられない場合、買い手側としては判断が難しくなります。
そのブースでは、担当者が何度も資料を探したり、別のスタッフに確認したりしていました。結果として、必要な情報を得るまでに少し時間がかかりました。

一方で、別のメーカーはまったく違いました。
担当者が自社の商品を非常によく理解していて、こちらの質問に対してすぐに答えてくれました。
認証の有無、海外への出荷実績、包装形態、価格帯、納期、対応可能な商品仕様などについて、非常にスムーズに説明してくれました。
回答も曖昧ではなく、こちらが判断しやすい形で情報を出してくれたため、商談の進み方がかなり早かったです。
同じような商品を扱っていても、メーカーの対応力によって、海外バイヤーが受ける印象は大きく変わります。
広州交易会では商品そのものを見ることも大切ですが、同時に「この会社は海外取引に慣れているか」「質問に正確に答えられるか」「商談を進めやすい相手か」を見ることも、とても重要だと感じました。
通訳として意識したこと:言葉を訳すだけではなく、判断材料を集める
展示会同行で通訳をするとき、私はただ中国語と日本語を訳すだけでは不十分だと思っています。
特に広州交易会のような大きな展示会では、限られた時間の中で多くのブースを回る必要があります。
そのため、質問の順番や確認すべきポイントを整理しながら進めないと、あっという間に時間が過ぎてしまいます。
今回も、私が意識したのは、お客様が短時間で判断できる材料を集めることでした。
たとえば、
・この商品は自社生産なのか
・日本向けの出荷実績はあるのか
・取得している認証は何か
・MOQはどれくらいか
・単価はどのくらいか
・納期はどれくらいか
・包装のカスタマイズは可能か
・サンプル対応はできるか
こういった点を、会話の流れを見ながら確認していきました。
相手の回答が少し曖昧な場合は、もう一度角度を変えて確認することもあります。
お客様がその場で聞きにくそうなことでも、商談上必要であれば、自然な形でこちらから質問します。
通訳というより、現場で情報を整理しながら、お客様が次に進むべきかどうか判断しやすくする役割に近いかもしれません。
結果的に、広州交易会はとても有意義な時間に
お客様はもともと広州交易会を目的に来られたわけではありませんでした。しかし実際に回ってみると、かなり有用だったと感じていただけたようです。
特に、プロテインやサプリ関連の商品について、いくつか面白いメーカーや商品を見つけることができました。
また、中国メーカーの新しい商品開発の方向性や、海外向け商談での対応力の違いも、現場で直接感じていただけたと思います。
この日は予定より早めに展示会の同行が終わりましたが、その後もお客様とはいろいろな話をしました。
お客様ご自身も起業家で、とても話しやすく、ビジネスのこと、中国市場のこと、日本市場のことなど、たくさん交流することができました。
当日の交易会体験は楽しすぎて、動画にも出て下さいました。良かったらご覧ください。
後日、お客様から「妻も会ってみたい」と言っていただき、一緒に食事をする機会もありました。
かわいい双子のお子さんにもお会いし、一緒に広州のショッピングモールを歩いたり、タピオカを飲んだり、子ども服を見たりしました。

仕事としての同行通訳から始まったご縁でしたが、最後はとても温かい交流になりました。
こういう出会いがあるのも、現地サポートの仕事の面白さだと感じています。
広州交易会は「商品探し」だけではない
今回の同行を通して改めて感じたのは、広州交易会は単に商品を探す場所ではないということです。
もちろん、仕入れ先やメーカーを探す場として非常に便利です。
しかしそれだけではなく、中国メーカーが今どのような商品を作っているのか、海外市場をどう見ているのか、どの会社がきちんと海外対応できるのかを現場で見ることができます。
特に初めて広州交易会に来る方にとっては、会場の広さ、情報量、出展企業の多さに驚くと思います。
事前に見るべき商品や確認すべきポイントを整理しておかないと、ただ歩いて終わってしまうこともあります。
だからこそ、現地での通訳同行やルート設計、商談サポートには意味があると思っています。
言葉を訳すだけではなく、どのブースを見るべきか、何を聞くべきか、相手の回答をどう判断するか。
そういった部分までサポートすることで、広州交易会での時間をより有効に使うことができます。
広州交易会、工場視察、仕入れ先探し、商談同行などで現地サポートが必要な場合は、noteのDMまたはLINEよりお気軽にご相談ください。
事前準備から当日の通訳、商談後のフォローまで対応可能です。
この記事はnoteでも公開しています。
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